過去の過ちが原因でパートナーとの関係がこじれ、「もう元に戻れない」と感じるのはとても辛いことです。
「自分がしたことは許されることではありません」
「だから一生かけて償っていくつもりです」と不倫をした多くの方は私に言います。
そう考えるのが当然だと信じているのです。
ですがそれは本当に不倫をしてしまった人の正しい生き方なのでしょうか。
このブログでは過去に不倫をした方とパートナに不倫をされた方のお話を伺ってきた経験から私が感じていることをお伝えしようと思います。
自分はどうなってもかまわない
これまでご縁をいただいた方の多くは、過去の不倫の事実を何年も何十年も引きずっています。
パートナーから責められるだけでなく、ご自身でも自分を責め続けているのです。
その結果「自分=ダメな人間」という観念が育ち、自己肯定感は地に落ちます。
「自分はどうなってもかまわない」「許されることではない」という感情の波動を出し続けるので、実際にどうなってもかまわない、という待遇をパートナーから受け、許されないという現実を生み出し続けます。
これではしあわせになりようがありません。
「自分は不幸でもかまわないです」
「不幸でいないと気が済みません」と言うなら、それも仕方のないことかもしれませんが、そう思い続けることは家族全体をも巻き込むことになります。
刑事事件は釈放されるのに
これまでお会いしてきた不倫の過ちへの後悔に苛まれてきた方々の念頭には「罪滅ぼし」という概念が頭の中を占めています。
そして確かに「罪滅ぼしはしなければならない」というのが世間一般の考え方でもあります。
ですが、刑事事件を起こした人は無期懲役や死刑以外、いずれ釈放されるときが来るのに、かつて不倫をした人は、何十年経っても罪の意識から解放されることはありません。
あなたはこれについてどう感じますか?
愛情からの行為ではなくなる
「罪滅ぼし」という観念で生きることで私が一番危惧するのは、それが義務感の世界だということです。
しあわせな夫婦をイメージする時、そこにあるのは義務感とは真逆の何かではないでしょうか。
そこに不倫をした側は「罪滅ぼし」するべきという、不倫をされた側の落とし穴があります。
「罪を償ってほしい」と要求することの盲点があるのです。
というのは不倫をした側もされた側の思いの影響を受け、愛情からではなく、義務感からパートナーに何かをしてあげるようになってしまうからです。
それではしあわせな結婚生活に辿り着くことはありません。
不倫をされたあなたはパートナーに義務感から何かをしてもらうことを望みますか?
そのことを痛いほど見てきた私は、不倫をした側がクライアントさんの場合は罪の意識が消える方向でカウンセリングを進めますし、パートナーに不倫をされた側がお客さんとしてきてくださった場合は不倫をした相手を許す方向でカウンセリングを進めます。
そして進めていくうちにそれこそが【自然な流れ】で、双方が真にしあわせになる道だと実感します。
罪の意識や許せない思いは、自然に任せていれば消えていくものを、「しがみつく」「水に流さない」「執着・執念」という力で滞りを作ります。
なぜしがみつく必要があるのか、なぜ流せないのかの根本を見つけ、緩めていく必要があるのです。