日常生活があまりに忙しいと、肝心なことを何も話さずに何年も何十年も過ぎていた、ということは珍しくありません。
仕事、家事、育児、子どものことと時間に追われているうちに1日が過ぎていき、それを繰り返しているうちに1年、3年、5年、10年と過ぎていた…
そのうちに子どもが巣立ち、仕事も落ち着き、定年を迎え、その時期になって改めて何十年も連れ添ってきた相手に、何を話していいか分からない、相手の反応が読めない、と気づきます。
クライアントさんの中には40代、50代半ばで「会話が続きません」「夫は話を聞こうとしてくれないです」と訴えてこられる方もいますが、そんな方には「少しでも早くてよかった」とお伝えしています。
一方で60代半ばを超えてから、心が通じ合うようになったご夫婦もいらっしゃいますので、悲観しなくてもここから二人の間を立て直していけることをお伝えしています。
まず最初にやることは…
「夫と会話ができないんです」
「もう2年ほどほとんど会話をしていません」
先日ご相談を受けたクライアントさんもそのようにおっしゃっていました。
そんなときはまず心を緩めることが大切です。
早く解決したいと思うために会話を成立させるノウハウをネットで探し、すぐにでも試そうとしがちですが、心が張り詰めている状態では何事もうまくいきません。
まずはご自身の感情を丸ごと受け入れ、心の状態を楽にしてあげることが先決です。
それが難しいと感じる方は、何度も深呼吸をして、つらい気持ちを書き出し、好きな音楽を聴いたり、ゆっくりとお風呂に浸かるなどして心を解きほぐす時間をもってください。
意思を確認する
心が落ち着き、リラックスしてきたら、自分に聴いてみてください。
「今、何を感じている?」
「パートナーに本当は伝えたいと思っていることは?」
「パートナーに何を分かってほしいの?」という風にです。
答えが湧いてきたら、それを書き留めてください。
日を置いて何度かこれをしてみるといいです。
また伝えたいことが分かるだけで心が軽くなります。
何度かこれを繰り返すうちにあなたが伝えたいことはさらに一層はっきりとしてきます。
そうしたらそれをどう伝えるかについても考えてみてください。
一つオススメなのが「ネガティブな感情を伝えることです。
具体的に言うと、「あなたに〇〇されたら、こんな風にネガティブな気持ちになります」と伝えます。
例えば、「こんな風に会話がない状態だととても寂しく感じる」と伝えます。
「この伝え方の何がいいの?」とあなたは感じるかもしれません。
それは言われた方の身になってみると分かります。
もしあなたがこれを言われたとするとどう感じますか?
悪い気はしないのではないでしょうか。そうです「私」を主語にしてネガティブな感情を伝えることは相手を傷つけません。
言及しているのは自分のことだけだからです。
これは相手に要望があるとき、会話を対等なものにする秘訣の一つです。
こんなことを参考にして、今会話がないと思っている方はぜひ一日ひと言でもネガティブな感情を伝えてみることをお勧めします。
ポジティブな感情についてはもちろんOKです。いつでも伝えてみてください。