問題が起こったとき、とっさに人はその問題をどうにかしようとします。
それはとても大切なことで早く対処したことで難を逃れられた、そんなこともあるでしょう。
ですが、どうしてもつらい、辛くて辛くてしかたがないときは、感情を和らげることが先決です。
つらいままでは悪循環から抜け出せない
つらいとき、人は冷静にものごとを考えられなくなりがちです。
解決策を見出そうとしても、
「どうしてあんなことを言うんだろう」
「私が悪いのかな…」
「これから先どうなっちゃうんだろう」
などという考えが頭の中を占領し、解決策に意識が向いません。
どんどん近視眼的になり視野も狭まり、冷静なときには見えるはずのものが見えなくなってしまうのです。
頭の中で嵐が起きているような状態です。
その嵐に反応して感情が湧き起こります。
そんな中で解決策を見つけようとしても、たいていはうまくいきません。
自分を責めすぎたり、人を恨んだり、なぜ、どうして、と思考は過去の事実の良し悪しをあげつらい、この後の不安材料を列挙し始めます。
解決策どころではない状態に陥ります。
まず「感情」を落ち着けよう
そんな時に大事なのが、「感情を和らげること」です。
たとえば、
涙を流す
ノートに思っていることを書き出す
信頼できる人に気持ちを聞いてもらう
深呼吸をする
そうやって、まずは落ち着きを取り戻すことが先決です。
感情を感じきることが「スタートライン」
ですが、
「泣くんじゃない」
「不機嫌な顔を人に見せるもんじゃない」
など幼い頃、両親に言われた言葉が根強くあなたの中に残っていて、多くの人は知らず知らずのうちにつらい気持ちにフタをしてしまいます。
本当は辛いのに「大丈夫」とフタをしてしまいます。
それでは問題から抜け出すことが難しくなります。
感情は目をそらすほど、心の中にたまり続け、冷静な思考が働かなくなるのです。
エネルギーも湧いてきません。
まずは感情を和らげることで現状をありのままに把握できるようになり、意図して考えられるようになり、進む力が湧いてきます。
ですから、つらい時こそ「どうすればいいか」よりも、まず自分の気持ちに目を向けてください。
カウンセリングでも感情処理は欠かせない
カウンセリングの中でも、感情処理(感情を和らげること)は重要視しています。
セッションの終わりに、つらい気持ちが残っているかを確認することもしばしばです。
残っていると分かればそれをできるだけ体の外に吐き出していただいてから終わるようにしています。
あとから感情処理ができるように、音声を作ってお渡しすることもあります。
それほどまでに、ネガティブな感情を手放すことは、心の回復にとって大切な一歩なのです。